JIN

微妙にネタバレなのでたたみます。


原作を途中まで読んだ。驚いたのは野風と南方の関係が、原作にないドラマオリジナルの設定だったこと。しかもその設定が原作ではあまり詳細に描かれない南方の苦悩、咲の想いなどをより鮮明により分かりやすくし、感情移入を容易にしている。ドラマオリジナルの設定が功を奏すことは決して多くはないと思うが、JINは成功例のひとつといえるでしょう。
これもまた原作になかったのだけれど、花魁たちが梅毒の健診をうける場面で、素朴で率直で生命の象徴のような咲(綾瀬はるか。実際ドラマの中でも漠然とした死への渇望と刺客の手から南方を救うことになる)と、まるでこの世の闇、性と死を一身に引き受けたかのような風情の野風(中谷美紀)が言葉を交わすシーンがすばらしい。